国際輸送の見積もり依頼が相手にされない理由

今、あなたが国際輸送の見積もりを依頼しても、国際業者(以下、フォワーダー)から適正な見積もりを得られる可能性は、極めて低いです。

あなたとフォワーダーとの間には、マリアナ海溝並みに「深い溝」があるからです。このミゾの存在を理解しない限り、フォワーダーに相手にされにくいです。

国際輸送の見積もり依頼

そこで、この記事では、見積もり依頼を受けるフォワーダーの「気持ち」を理解して、見積もりを受け取れる可能性を上げる方法をご紹介します。

結論:見積もりを依頼する側が国際輸送や輸入通関の準備が全くできていないです。フォワーダーは、準備不足の案件は、無視又は、高額な料金を提示して対応します。

国際輸送の見積もり依頼で大切なこと

まずは、ビジネスの基本です。国際輸送に関わらず、見積もりは無料の場合が多いです。依頼者は、無料であるため、いくつかの業者を比較・検討できます。

では、無料見積もり依頼を業者側の立場で考えてみます。見積もりには、人件費がかかります。案件によっては、関連パートナーとの調整も必要です。

フォワーダーは、見積もり提示後、受注することで利益を受け取ります。そのため、より受注確率が高い案件に注力し、面倒な案件は、後回し又は、無視することが多いです。

もし、国際輸送の見積もりを依頼しても中々、相手にされない場合は、あなたの案件は、受注確率が低く、面倒だから後回しになっている可能性が高いと考えた方が良いでしょう。

見積もりにも人的資源を投入しているわけですから、当然ですね!

何が業者を面倒に感じさせる?国際輸送に必要な情報

では、何がフォワーダーを「面倒な案件」だと感じさせるのでしょうか?

例えば、フォワーダーは、次の視点で見積もり依頼を選別しています。

  • 属性情報に問題はない?
  • 見積もりに必要な情報はそろっている?
  • 今後も継続が見込めるのか?
  • 単発で終わりそうな見積もり依頼=高く見積もりを提示する。
  • 継続性がありそうな見積もり依頼=一般的な価格で見積もりを提示する。
  • 依頼者に実績があり、継続性がありそうな見積もり依頼=少し安めに提示する。
  • めんどくさい、断りたい依頼は=断る、無視又は、高額な見積もりを提示する。

国際輸送の見積もりは、一般的な商品を購入するときのノリで行うべきではないです。

例えば、冷蔵庫を購入するために、複数の家電製品から「お見積り」をもらうなどです。これが一般商品を購入するときの「ノリ」です。国際輸送の見積もりには、見積もりをする上で必要な情報があります。まずは、その情報を揃えるのが必須です。

では、具体的に国際輸送で必要な情報を確認していきましょう!

  1. 法人?個人事業主?それとも個人?
  2. いつ頃、何を運びますか?
  3. どこの港(空港/住所)から、どこの港(空港/住所)に運びますか?
  4. 輸送モードに指定はありますか?(海上や航空、フェリー等)
  5. インコタームズは何ですか?
  6. 荷物(箱)の縦、横、高さ、一つの重さ、数量はいくつですか?
  7. 他法令が関係する貨物ではないですか?
  8. 輸入通関で必要な許認可を得ていますか?
  9. 税関コード、リアルタイム口座の開設等はされていますか?
  10. 他社で輸送実績はありますか?

1.法人?個人事業主?それとも個人?

法人格があるのか? 個人事業主様なのか? を伝えます。基本的に、国際輸送は継続性がありそうかで判断しています。よって、単発依頼で終わりそうな「個人様」は断ることが多いです。

フォワーダーでは、個人様と個人事業は、別扱いです。

  • 個人様=商売目的でなく、単発の依頼
  • 個人事業主様=商売目的で、継続性がありえる依頼

フォワーダーが最も相手にしたいのは、法人様です。その次に個人事業主様です。また、法人様として依頼がきた場合は、必ずサイト上で「法人登記情報」をチェックしています。

2.いつ頃、何を運ぶ?

その輸送案件は、すでに決まった物ですか?(例:売り手と交渉集など) それとも空想のお話ですか? フォワーダーは、空想のお話は相手にしたくないです。

伝え方の例:現在、海外の売り手と交渉中であり、三月の下旬位に○○という商品を運ぶ予定であるため、お見積りをお願いします。

最低限、これくらいの具体体性が必要です。

ダメな伝え方の例

まだ構想段階ですけど、○○を輸入する場合は、どれくらいの費用がかかるか知りたいです。」 →*あなたの構想話に付き合うフォワーダーは少ないです。(=そんなことに人件費をかけたくない。)

3.どこの港(空港/住所)から、どこの港(空港/住所)に輸送?

どこの国の港(空港等)から、どこの国まで運びたいですか? もしできるなら、この場所をポートコード又は、空港コード等で伝えるとよりいいと思います。

良い伝え方の例:
    • 上海の○○空港から、日本の○○空港まで
    • 名古屋港から、香港の○○○(指定の住所)まで
    • AUH(アブダビ)からABQ(アルバカーキ)など。
悪い伝え方の例:

「中国から日本への輸送見積もりをお願いしたい!」

*中国のどこですか? 上海ですか? 深圳ですか? 青島ですか? そして、日本の北海道ですか? 鹿児島県ですか? 沖縄県ですか?

どこから、どこへは、具体的な港名(空港名)又は、住所等を書きましょう。もし、アリババ等でわからない場合は「アリババ」又は「不明」でも良いと思います。

例えば、日本国内で宅配便を利用するとしましょう。その時に、青森県に荷物を送りたいのに「東北」や「日本」と書きますか? いや、どこや!と、思わずツッコミを入れたくなりますね!でも、こういう風に依頼してくる方がとても多いです。

輸送地点は、できるだけ具体的に!

4.輸送モードの指定は?(海上や航空、フェリー等)

その荷物の輸送は、急ぎですか? それとも遅くても良いから、安く運びたいものですか? この辺りの要望を的確に伝えましょう!

良い伝え方の例:
    • 輸出国側の工場では、何月何日以降に引き取りが可能です。この貨物を日本の○○に●月●日までに輸送したいです!
    • この貨物は、少しゆっくりでも良いので、できるだけ安く運びたいです。

5.インコタームズは何?

売り手との間は、何のインコタームズで合意しましたか? インコタームズとは、売り手と買い手のやるべきことを11の型にした国際貿易ルールです。この11の型の内、どのインコタームズで合意したのか?を伝えましょう!

良い伝え方の例:
    • EXW SHANGHAI(具体的な住所及び倉庫名) 50,000USD
    • FCA TOKYO NARITA AIR PORT 6,500USD

上記のEXWやCIPがインコタームズです。まだ、インコタームズの理解をしていない場合は、「インコタームズ2020を徹底解説」を確認しましょう!

6.荷物(箱)の縦、横、高さ、一つの重さ、数量はいくつ?

輸送する荷物の大きさ(カートン)を伝えましょう!

  • 荷物の縦、横、高さは、それぞれ何センチですか?
  • 一つ何キロですか?
  • 全部で何個運びますか?

もし、荷物の大きさ(カートンの梱包サイズ)がわからない場合は、必ず売り手に確認します。聞けばすぐに教えてくれます。

書き方の例

30×40×50、10kg/ケース、数量:254ケース(2540kg)

7.他法令が関係する貨物?

その貨物を国際輸送したとして、日本側での輸入規制を把握していますか?

例えば、食品なら食品衛生法。植物なら植物防疫法です。これらの規制をクリアするために必要な情報や資料を整えていますか? この部分をとても勘違いされている方が多いです。基本的に国際輸送業者は、輸送を担当するだけです。

輸送の前後で必要な情報や資料は、すべて依頼者が揃える義務があります。

伝え方の例:

事例1:輸送予定の貨物は、食品衛生法に該当します。過去、弊社では同様の貨物を輸入した実績があります。そのときの許可書及び食品検査済み証を添付させていただきます。

事例2:この貨物は、食品衛生法に該当します。売り手から○○と○○の資料を入手しています。この資料を基に食品検疫所に「事前確認」を受けております。また、売り手とのコミュニケーションもスムーズです。

依頼者が準備するべきことを正しく把握しましょう!

8.輸入通関で必要な許認可は?

ある一定の品目を輸入するときに「許認可(輸入許可とは別)」が必要な物があります。

例えば、化粧品やお酒などです。特別な許可が必要な貨物であるかの確認はできていますか? 日本側で何らかのライセンスが必要でないかを確認しておきましょう!

9.オプション:税関コード、リアルタイム口座の開設等は?

輸出入実績を記録する税関コード(輸出入者符号)はございますか? 関税や消費税等の納付を円滑にするリアルタイム口座の開設はできていますか? 昨今、フォワーダーは、これら2つの登録を取引開始の必須条件にしている所が多いです。

10.オプション:他社で輸送実績はありますか?

もし、フォワーダーから別のフォワーダーに乗り換える場合は、現状のフォワーダー(輸送状況)に対する不満を伝えた方が良いでしょう。また、この時、輸送実績を示す意味で、許可書や具体的な月間本数等を示すのが理想です

伝え方の例:

現在のフォワーダーは○○の部分に不満があります。現在、その部分を改善するために、新しいフォワーダー様を探しています。当社の取り扱い品目は○○で、月間20フィートが○○本。40フィートが●●本程です。


仮にA社とB社があるとしましょう。どちらも個人事業主、開業日も同じ、似た様な売上規模だとします。ほぼ同じ属性の者が見積もり依頼をしても「見積もりに必要な情報」を整えているのか?によって、結果は大きく変わります。

  • 情報を揃えていない方 →無視される。
  • 情報を揃えている方 →見積額を提示してもらえる。

理想的な国際輸送の見積もり例

最後にここまでの情報を踏まえて理想的な書き方をご紹介していきます。ぜひ、あなたの依頼内容を比較してみましょう!きっと、フォワーダーに相手にされない理由がわかるはずです。

株式会社○○(https://~)の○○と申します。(情報1)弊社の主な事業は○○です。定期的にこの事業に使う○○を○○の工場から輸入しています。(*継続性があることを伝える)月間のコンテナ本数は、20フィートが○○本程です。(情報10)この度、新たにフォワーダー様との契約を検討していますので、下記のお見積りをよろしくお願いします。

  • 希望輸送日:3月下旬頃(情報2)
  • EXW (輸出国の工場名+所在地)US5000ドル(情報3・5)
  • 日本側:○○港、又は最終納品先住所(情報3)
  • 輸送品目:カバン(情報2)
  • マスターカートンの大きさ:20×30×30/5KG(情報6)
  • 数量:5000カートン(情報6)
  • 40F×1(情報4)
  • 税関コード○○、リアルタイム口座あり(情報9)
  • 関係法令:ワシントン条約(学科名●●について対象外の確認済)
  • 参考資料:輸入許可書添付

国際輸送の見積もりに必要な「準備」ができない場合は?

いかがでしたでしょうか? もし、これまで何度も見積もり依頼をしているのに、一切返事がもらえない場合は、上記の理想的な見積もり文とを比較してみましょう!

国際輸送の見積もりは、依頼者側にもある程度のレベルが求められます。必要な情報、書類を整えて、後は輸送するだけ~!の状態にするのは、依頼者の義務です。国際輸送業者と依頼者には、ここに大きなズレがあるため、中々、思うように見積もりを提示してもらえないです。

では、どうすればいいのでしょうか? このまま現状のスタイルを貫き、相手にしてくれるであろう20%の業者を探すのも一つの方法です。しかし、それよりも確実な方法があります。それが現役フォワーダーと進める「国際輸送&輸入準備サービス」です!

このサービスは、初めて国際輸送をする方に対して、国際輸送及び輸入の準備を一緒に行うものです。二人三脚で支援するのは、現役のフォワーダー及び通関士です。

要は通関の世界やフォワーダーの内部事情を熟知している者がサポートするため、国際輸送及び輸入の再現性を一気に高められます。

「輸入を始めたいと考えている。でも何から始めたらいいのかわからない。」

「国際輸送の見積もり依頼をしているのに中々、相手にしてもらえない」

などでお困りの方は、ぜひ、ご検討ください!

 

*輸送の準備が完了している方は、国際輸送の依頼ページからリクエストをお願いします。

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