輸入と国際輸送 小口輸送・FBA納品からコンテナ輸送迄

今、海外の売り手と国際輸送の交渉をしています。この国際輸送について、買い手は、次の2つを選べます。

  1. 売り手に日本までの送料を負担してもらう。
  2. 買い手(自分)が日本までの送料を負担する。

上記の他、輸送手段(海上輸送、航空輸送、クーリエ等)による違いもあります。これらは、輸送速度や価格等を基準に選びます。(あなたの納品先の意向を踏まえる)

  • 費用負担の支払い=インコタームズに基づく。
  • 選ぶ輸送手段=納品先の意向を反映させる。

上記2つの基準により、あなたが必要とする国際輸送の最適化を図ります。この記事では、輸入取引における国際輸送の最適化について説明していきます。

  1. 輸入取引と国際輸送の最適化
    1. 国際輸送を最適化するときに検討するべき項目
    2. 国際輸送とインコタームズ
      1. 代表的なインコタームズ
      2. 主な国際輸送モード
      3. 航空輸送と海上輸送の比較
        1. 海上輸送の特徴
        2. 航空輸送の特徴
      4. エアクーリエのメリット・デメリット
        1. メリット
        2. デメリット
      5. 航空輸送のメリット・デメリット
        1. メリット
        2. デメリット
      6. FCLとLCLの違い。メリットとデメリット
        1. FCLのメリット
        2. FCLのデメリット
        3. LCLのメリット
        4. LCLのデメリット
      7. フェリー輸送のメリット・デメリット
        1. メリット
        2. デメリット
      8. FCLとLCLの物流
        1. FCLの流れ
        2. LCLの流れ
      9. 海上輸送の所要日数の調べ方
      10. フリータイムの概要と延長方法
      11. 船のスケジュールの調べ方
      12. コンテナの追跡方法
      13. パレットに関する基礎知識
    3. 国際輸送業者(フォワーダー)に見積もりを依頼する方法
      1. 売り手との交渉とフォワーダーの活用方法
        1. 例1.売り手からFOB○○で提示された場合
        2. 例2.売り手からCIP○○で提示された場合
      2. 見積もり依頼に必要な情報
      3. 参考情報:フォワーダーに対する理想的な見積もり例
        1. 輸送を希望する商品情報例
        2. 属性情報(あなたの情報)例
          1. FCA×AIRの見積もりが欲しい時は?
          2. EXW×アマゾンFBA×AIRの見積もりが欲しい時は?
          3. FCA×海上輸送の見積もりが欲しい時は?
      4. 実際は、国際輸送の見積もりを提示できない状況の方が多い!
    4. 輸入許可後の国内配送戦略(ラストワンマイル)
      1. 混載便、チャータートラックの留意点
      2. ドレー戦略
        1. 1.他社でデバン(コンテナ出し作業)を依頼する。
        2. 2.自社でデバンをする
    5. 国際輸送後の倉庫保管/サードパーティー倉庫(FBA等)の活用
      1. 1.通常倉庫
      2. 2.保税倉庫
    6. 小口、小規模な輸送なら、パッケージ化されている国際輸送が便利!
      1. 国際輸送の関連用語

輸入取引と国際輸送の最適化

売り手との輸入交渉には、国際輸送も含まれます。国際輸送には、海上輸送の他、航空輸送、クーリエ等があります。

例えば、アリババ等を使い小規模に輸入する場合は、売り手(サプライヤー)が国際輸送までを手配することが多いです。しかし、ある程度の規模感で輸入する場合は、買い手側が国際輸送を手配することが多いです。

  • 売り手が手配する国際輸送
  • 買い手が手配する国際輸送

上記2つがあることを覚えておきましょう。

国際輸送を最適化するときに検討するべき項目

売り手が手配する国際輸送ではなく、買い手(あなた)が手配する国際輸送を実現する場合は、最低限、次の三つを検討します。

1.納期、2.価格、3.安全性

その貨物は…..

  • 急ぎで必要ですか? 遅くても良い?
  • 価格は、安い方が良い? 少し高くても早さを求める?
  • 安全性は、どうする?

納期を急ぐ場合なら、航空輸送又はフェリー輸送が最適です。少しでも価格を安くしたい場合は、海上輸送のFCL又はLCLが良いです。輸送中の貨物のダメージを最小にしたい場合は、航空輸送が最適です。

国際輸送に求める内容を整理しておきましょう!

国際輸送とインコタームズ

輸入取引では、輸出国側の空港や港から先の部分を買い手が手配することが多いです。この買い手と売り手の責任範囲(手配する部分)を明確するのがインコタームズです。

インコタームズには、11の「型」があります。売り手と買い手は、交渉によって、11の中から一つののインコタームズを決めます。合意後は、インコタームズで決められている通りに義務を履行していきます。

代表的なインコタームズ

  • FOB(FCA)
  • EXW
  • CIF(CIP)

FOB は、売り手が輸出国に停泊する本船に貨物を載せるまでの責任(輸出国の内陸輸送、積み込み、輸出通関、輸出港の費用)を負います。そこから先の費用や危険は、買い手が負担します。

EXWは、売り手(製造者)が輸出国の倉庫等で輸出用に商品をパッキングするまでの責任(輸出梱包、輸出に必要な書類の準備等)を負い、それ以降の全ての費用と責任は買い手が負担します。

CIFは、売り手が輸出国の内陸費用、積み込み費用、輸出通関の費用、保険、輸入国側までの国際輸送費を負担します。買い手は輸入通関と国内輸送費を負担します。

基本的に売り手には、通常、国際取引で適用しているインコタームズがあります。お互いに不慣れなインコタームズを設定すると、様々なトラブルになる可能性が高いです。よって、EXW、CIP、FCA辺りで検討した方が良いと思います。

例えば、インコタームズDAPを選び、エアクーリエを選択すると、売り手は、日本の指定の場所(住所)までの全ての費用をインボイスに反映してきます。

もし、売り手から「FOB SHANGHAI 5000USD」と提示された場合は、売り手は、上海港渡しで5000ドルで商品を販売しますとの意味です。この場合は、買い手は、上海から日本までの輸送を別の業者(フォワーダー)等に国際輸送を依頼する必要があります。

主な国際輸送モード

輸送方法 基準重量/容積 特徴
エアクーリエ 100KG前後
  • 主な業者:DHL、フェデックス等
  • ドアツードアの配送が前提
  • 比較的、小規模な輸送で使われることが多い。
  • 輸入国の指定の場所(住所、倉庫、FBA等)に配送ができる。
航空貨物 100~300KG前後
  • 空港間の輸送が前提
  • クーリエよりも割安で輸送ができる。
海上輸送(フェリー) 300KG~
  • 一般フェリーは、港間の輸送が前提
  • 海上速達便(フェリー)は、日本国内の玄関先までの輸送可能
  • 航空機並みの速さで輸送ができる海上輸送
海上輸送(LCL) 300KG~
  • 港と港の輸送が前提
  • 一つのコンテナを複数の荷主と共有する。
海上輸送(FCL) 11~13M3以上
  • 港と港の輸送が前提
  • 一つのコンテナを一つの荷主が専有する。

航空輸送と海上輸送の比較

海上輸送の特徴
  • 海上輸送(FCL)は、貨物の大きさに関わらず定額
  • 海上輸送(LCL)は、立法メートル単位で請求される。
  • 重量物を大量に輸送する場合は輸送コストが安い。
  • 大量に在庫を抱えるため倉庫保管料に注意
  • 濃霧、船の故障など起きる時がある。
  • 港湾ストライキ等も発生しやすい。
  • 港湾の混雑等もよくある。
  • 航海日数が長いときは、途中で船会社が破産するときがある。
航空輸送の特徴
  • 航空輸送は、実重量と容積重量を組み合わせて料金を決める。
  • 貨物のサイズが小さい物、軽くて高価な物に向いている。
  • 海上輸送よりも輸送日数が圧倒的に短い。
  • スケジュールの変更も臨機応変。輸送が安定している。

エアクーリエのメリット・デメリット

メリット
  • 宅配便のように自宅に貨物が届く。
  • 商品代金+自宅までの輸送費がわかる。
  • 迅速に貨物が届く。
デメリット
  • 基本的に一回の輸送が50KG~100KGくらいが限界
  • 上記の範囲を超えると一気に割高になる。

航空輸送のメリット・デメリット

メリット
  • 300KG程度までなら、海上輸送よりも航空輸送の方が安い場合が多い。
  • 海上輸送特有の○○チャージが少ない。
  • 空港間を迅速に輸送できる。
デメリット
  • 基本的に輸出国の空港から輸入国までの輸送をしている。
  • 日本到着後の手続きは、別に通関業者等を手配する必要がある。

FCLとLCLの違い。メリットとデメリット

FCLのメリット
  • 約11~13M3以上又は、10~12パレット以上を輸送する場合に検討
  • 大容量を格安で輸送するとき最適(価格がボックスレート)
  • 船への積み込み、船からの積み下ろしが早い。
  • 輸送中は、他の荷主の貨物と干渉しないため安全
  • 温度管理のFCLもある。
FCLのデメリット
  • 送料を圧縮するために、一度に大量に貨物を運ぶので在庫管理が大変
  • 料金がLCLの場合よりも変動しやすい。
  • コンテナ不足の状況になったときは、コンテナの確保が難しい。
  • デマレージ料金が高い。特にリーファーは高額
  • ディテンションチャージにも注意(デバン後に空コンテナを戻す期間)
LCLのメリット
  • FCLよりも少ない貨物量で海上輸送ができる。
  • 一回の輸送量が300KGを超えるようになったら検討
  • 重量(容積)の分だけ料金を支払えばいい。
  • コンテナ不足の時にスペースを確保しやすい。
  • FC社の「D2Dサービス」は、LCLなのに日本国内までの着値がわかります!
LCLのデメリット
  • 重量(容積)に応じて、CFSチャージがかかる。
  • 他の荷主の貨物と合積みされるため、ダメージが発生する可能性がある。
  • デバンが遅い(搬入が遅い)=輸入貨物を引き取るまでに時間がかかる。
  • 他の荷主の貨物の影響を受けることがある(リマ―ク確認など)

フェリー輸送のメリット・デメリット

メリット
  • 一回の輸送が300KGを超える場合はフェリー又は、LCLを検討する。
  • フェリーの最大の特徴は、海上輸送なのに航空輸送並みの速さを誇ること
  • 特に中国から日本、韓国から日本の場合は、航空輸送よりフェリー輸送を検討した方が良い。
  • 航空輸送並みの速さなのに、送料が圧倒的に安い。
デメリット
  • FCスタンダードロジックスの海上速達便除き、基本は、港と港のみの輸送となる。
  • つまり、港到着後以降の輸入通関、国内配送手続きを別の業者に依頼する必要がある

FCLとLCLの物流

FLCは、コンテナごと輸送します。LCLは、他の荷主と合積みします。なお、FCLとLCLの流れは、大方同じです。

FCLの流れ
  1. 売り手(又は買い手)がフォワーダーに輸送を依頼する。
  2. 予約後、フォワーダーにピックアップオーダーをする。(空コンのピックアップ)
  3. 指定の場所(例:売り手の倉庫など)に空のコンテナが届く。
  4. コンテナの中に貨物を入れる(バンニング)
  5. バンニング後、港に移動する。
  6. 輸出申告&許可を受ける。
  7. 船積みする(*ここまでが輸出国側)
  8. 船が到着する(ETA)(*ここから輸入国側)
  9. 船からコンテナが下ろされる&搬入があがる(入港日の翌日)
  10. 輸入申告(本申告)に入り許可を受ける。
  11. 許可後、ターミナルからコンテナをピックアップし、指定の場所へドレージする。
  12. 日本国内の指定の場所でコンテナだし作業をする(バンニング)
  13. バンニング完了後、空のコンテナを港に戻す。
LCLの流れ
  1. 売り手(又は買い手)がフォワーダーに輸送を依頼する。
  2. 予約後、フォワーダーが指定する場所に貨物を送る。
  3. フォワーダーの指定地で、コンテナの中に貨物を入れる(他の荷主と合積み)
  4. バンニング後、港に移動する。
  5. 輸出申告&許可を受ける。
  6. 船積みする(*ここまでが輸出国側)
  7. 船が到着する(ETA)(*ここから輸入国側)
  8. 船からコンテナが下ろされる(入港日)
  9. 最寄りのCFS倉庫にショートドレージ&デバンニング+搬入をあげる(入港日の翌々日)
  10. 輸入申告(本申告)に入り許可を受ける。
  11. 許可後、混載便トラック又はチャータートラックで輸送する。

海上輸送の所要日数の調べ方

海上輸送の所要日数は、シッピングガゼットかネットで調べられます。なお、HUNADE親サイトでは、主要国別コンテナの所要日数まとめを公開しています。ぜひ、ご覧ください。

フリータイムの概要と延長方法

フリータイムは、フォワーダーとの契約により変わります。基本は、入港日の翌日から数えて5営業日です。フォワーダーによっては、このフリータイムを標準で長くしている所もあります。もし、フリータイムを延長したい場合は、取引があるフォワーダー又は通関業者に依頼します。

船のスケジュールの調べ方

船のスケジュールは、船積みする船会社のサイトに行き、運航スケジュールを確認するか、シッピングガゼット(雑誌)で確認ができます。

コンテナの追跡方法

コンテナの現在地は、コンテナ番号で調べられます。コンテナ番号は、船積みが完了すると、売り手から渡される船荷証券(B/L)に記載されています。

B/Lの中ほどに10桁の番号を見つけます。このコンテナ番号を使い、運行する船会社のサイトで検索すると、コンテナの現在地がわかります。

b/l

パレットに関する基礎知識

国際輸送では、移動の利便性を上げるためパレットを使うことが多いです。パレットは、強化プラスチックの物、金属製の物、木製の物、紙製の物などがあります。パレットによって様々なサイズや特徴があるため、必ず覚えておきましょう!

詳しくは、パレットの基礎知識を徹底解説をご覧ください。(親サイトに移動)

国際輸送業者(フォワーダー)に見積もりを依頼する方法

売り手との交渉の中で買い手の手配で見積もりが必要になった場合の対処方法をご紹介します。国際輸送業者のことを別称「フォワーダー」といいます。フォワーダーとは、船舶や航空機を持つ会社(キャリア)から輸送スペースを買いとり、一般の荷主に再販売する会社です。

フォワーダーは、キャリアとの間で特別な契約を結んでいるため、一般の荷主よりも価格競争力があります。また、フォワーダー同士には、ネットワークがあるため、一般の荷主では輸送が難しい場合でも輸送を実現する力があります。

したがって、一般の荷主様は、基本的にフォワーダーに対して見積もりをお願いすると良いです。日本には、多数のフォワーダーがいます。多くは「フレイトフォワーダーズ協会」に登録しているので、この一覧からフォワーダーを選びます。

フォワーダーランキング(HUNADE親サイト)

売り手との交渉とフォワーダーの活用方法

もし、売り手が交渉の中で「FOB SHANGHAI●●ドル」と提示してきた場合、買い手は、上海港から先の部分の全ての費用を負担する必要があります。

例1.売り手からFOB○○で提示された場合
  • 上海港から日本の港までの国際輸送費
  • 上海から日本までの保険代金
  • 日本の港での諸費用
  • 通関代行料
  • 関税や消費税
  • 国内配送代

などがあります。つまり、売り手から「FOB SHANGHAI○○」と言われたら、日本側のフォワーダーに対して、上海港から先の部分の見積もりを依頼します。

例2.売り手からCIP○○で提示された場合

売り手が「CIP TOKYO ○○」と提示してきたら、上記リストの内….

  • 日本の港での諸費用
  • 通関代行料
  • 国内配送代
  • 関税や消費税

のみを買い手が負担します。この場合は、フォワーダー又は、通関業者に対して、日本港到着以降の手続きや費用の見積もりを依頼します。ちなみに、関税や消費税の部分は、輸入者であるあなたがリアルタイム口座等を開設し、直接、銀行口座から引き落とす仕組みが一般的です。

見積もり依頼に必要な情報

売り手との交渉におけるフォワーダーの利用方法をお分かりいただけましたでしょうか?基本的に、輸入取引が初心者の時は、売り手が国際輸送までを手配する「CIF(CIP)」での契約をお勧めします。

何度か取引を重ねてくると、国際輸送の部分を他の専門業者に依頼したくなるときがきます。そのときにフォワーダーを検討しましょう。もし、フォワーダーに見積もりを依頼する場合は、最低限、次の情報が必要です。必ず、見積もり前にまとめておきます。

  1. 法人ですか? 個人ですか?
  2. どこの港(空港)からどこの港まで?
  3. インコタームズは何ですか?
  4. 荷物は何ですか?危険品ですか?
  5. 荷物の大きさは?縦×横×高さと重量は?
  6. いつまでに貨物が要りますか?
  7. 通関手配、国内配送は必要?
  8. リアルタイム口座を開設していますか?

上記8つの情報をまとめることにより、フォワーダーとしてもまともに相手にする可能性が高いです。情報が抜けている程、フォワーダーには「初心者やトラブルになりそうだな~」との印象を与えて、見積もりの提示を拒否する可能性が高いです。(返信すら来ない可能性が高いです。)

参考情報:フォワーダーに対する理想的な見積もり例

まずは輸送希望の商品情報と、あなたの属性情報を正しく伝えましょう!

輸送を希望する商品情報例
  • 品目:コーヒーのマグカップ
  • 単価:1ドル/piece
  • 合計:1000ドル
  • HSコード:○○(わかる範囲で)
  • マスターカートンのサイズ:30×30×50
  • マスターカートンの入り数:16piece/カートン
  • マスターカートンの容積:0.045
  • マスターカートンの重量(グロス/ネット) 20/23kg
  • マスターカートンの合計箱数:100

合計容積:4.5m3
重量(グロス/ネット) 2000/2300kg

属性情報(あなたの情報)例
  • 個人?個人事業主?法人?
  • 通関及び許可後の国内配送の必要性は?
  • 過去、許可になっている場合は許可書を添付
  • 他法令(食品)>>輸入実績の有無は?
  • リアルタイム口座の有無は?

FCA×AIRの見積もりが欲しい時は?
  • 100カートン×AIR(FCA Shanghai Air Port)
  • 届け先の住所(空港又は、空港から先の指定地)
EXW×アマゾンFBA×AIRの見積もりが欲しい時は?
  • 100カートン×AIR EXW:貨物の引き取り場所の住所(輸出国の工場や倉庫)
  • 納品希望先:FBA○○
FCA×海上輸送の見積もりが欲しい時は?
  • 100カートン×海上輸送 FCA NINGBO
  • 届け先の住所(港又は、港から先の指定地)

実際は、国際輸送の見積もりを提示できない状況の方が多い!

基本的なお話として、国際輸送の見積もり依頼は、必要する情報が多いです。貨物の情報や希望内容が曖昧だと、フォワーダーは相手にしない可能性が高いです。しかし、残念ながら、未だに必要な情報が全く抜けた状態で依頼をしてくる方が多いです。

例えば、日本側で化粧品製造販売業の許可を持っていないのに、商売目的での化粧品の輸送見積もりを依頼してくる方。植物防疫法の規制があるのに、何も調べずに見積もり依頼を出す方。売り手側からの交渉から全て依頼したいなど、様々な方がいらっしゃいます。

基本的に国際輸送の見積もり依頼は…

  • 見積もり依頼で必要な情報を整えていること
  • 必要な法規制を調べていること(輸入できることを確認していること)
  • 許認可等に問題がないこと

などを輸入者様が行うことを前提としています。その上で、○○国から○○国までの輸送であれば、○○円になると見積もりができるのですね!見積もりを依頼する場合は、必ず依頼者側にも準備が必要なのですね。その準備ができていない方は、残念ながらフォワーダーからの回答はないでしょう。

もし、ご自身で国際輸送を依頼するための準備(少し広く考えると、輸入全般の準備)ができない方には「二人三脚サポートサービス」を提供しています。

輸入許可後の国内配送戦略(ラストワンマイル)

輸入許可を受けると、トラック等で国内配送されて最終納品先に到着します。この許可後から国内配送の部分を「ラストワンマイル」とも言います。ラストワンマイルにもいくつかのポイントがあります。まず、輸入貨物の輸送形態を確認しましょう!

  • 航空輸送貨物の場合 →混載便又はチャータートラック
  • 海上輸送×LCLの場合 →混載便又はチャータートラック
  • 海上輸送×FCLの場合 →ドレー、混載便又はチャータートラック

で運ぶことが多いです。

混載便、チャータートラックの留意点

混載便とチャータートラックの違いは、時間指定ができるのか?です。混載便は、別称、路線便とも言います。他の荷主の貨物と合積みして順番に配送してくるため、○○時につけてほしい!などと指定はできないです。最高でも「AM」または「PM」くらいです。

一方、チャータートラックは、一つのトラックを貸切るため、○○日の○○時など時間の指定ができます。一刻でも早く貨物が欲しい場合は、チャータートラックが有効です。他、LCL貨物で税関検査等に当たった場合もチャータートラックを手配します。


チャータートラックと混載便の違いは次の通りです。なお、共通して言えることは、混載便、チャータートラックともに、配送は「玄関先迄」であることです。例:倉庫の中に入れてほしいなどの対応は基本的には不可!(対応するのかはドライバー次第)

*混載便、チャータートラックともに通関業者経由で手配します。

トラックの種類 料金 時間帯指定 特記事項
混載便 安い できない。最高でも午前中や午後等。
  • 長尺物や重量物は対応不可
  • 倉庫から貨物をピックアップする時間が厳しい。(指定の時間までに許可を受けていないと翌日になる)
チャータートラック 高い できる。
  • 長尺物等でも対応可能
  • 税関検査に当たった場合に活用する
  • 時期によって予約ができないこともある

ドレー戦略

コンテナで届いた貨物は、次のいずれかの方法でラストワンマイルを実現しています。

  1. 他社でデバン(コンテナ出し作業)を依頼する。
  2. 自社でデバンをする
1.他社でデバン(コンテナ出し作業)を依頼する。

コンテナで輸入許可を受けた貨物は、どこかでコンテナ出し作業(デバン)が必要です。この作業を他社(港近くに倉庫を構える所)に依頼ができます。

他社に依頼する場合は、立法メートル単位で「デバン料金」が請求されます。デバン後は、そのまま業者の倉庫に保管をするか、どこかにトラック輸送するを選べます。トラック輸送することを「デバンオントラ」といいます。

もし、他社にデバンをお願いし、デバン後の貨物の配送を依頼したい場合は、その旨を通関業者に依頼しましょう!

2.自社でデバンをする

デバン作業を自社で行うこともできます。その場合は、次の通りです。

  1. 実入りのコンテナを指定の場所までドレージしてもらう。
  2. 指定の場所(倉庫等)でコンテナ出し作業(デバン)をする。
  3. デバンした貨物を倉庫に保管する。
  4. 空のコンテナは、港にかえる。

上記の場合、デバン作業代自体はかからないですが、それ相応の費用はかかります。

  • 港と指定地までのドレー代金
  • デバンするときの人件費
  • デバンをするための敷地(倉庫)

自社ですると、デバン費用が掛からないように感じます。しかし、自社でデバンをする場合でも、デバンに人がいることは同じです。当然、それ相応の人件費は必要です。

ドレーでコンテナを輸送し待機してくれるのは、標準で二時間です。それよりもデバンがかかる場合は、延長料金がかかります。あまりにもデバン時間がかかる場合は、台切りをしてもらい、一度、ドレーを港に帰らせた方が良い場合もあります。ただ、この場合は、ドレー代金が二往復分かかることに留意します。

その他、コンテナ輸送ができる敷地があるのか? 周辺の道路環境は大丈夫なのか? 通勤や通学時間帯による規制はないのか?などにも注意が必要です。特にデバン作業は、道路上で行うことは禁止です。すぐに警察に通報されるため、十分に気を付けましょう!

もし、デバン施設がなかったり、周辺道路環境によりドレーの侵入が難しかったりする場合は、最初から港にてデバンをしてもらい、トラック輸送に切り替えた方が良いです。

国際輸送後の倉庫保管/サードパーティー倉庫(FBA等)の活用

輸入した商品は、保管方法、保管場所にも留意します。

例えば、一括で大量に輸送するFCLは、国際送料を圧縮する効果がある一方、日本側で在庫保管をすうる手間があります。在庫を管理するとなると、当然、倉庫が必要ですね!

倉庫には、自社倉庫と他社倉庫の2つがあります。

  1. 自社倉庫
  2. 他社倉庫

他社の倉庫(サードパーティー)には、FBA倉庫の他、オープンロジ、各地の混載便業者の倉庫サービスなどがあります。いずれの場合も貨物量に応じた保管料が発生します。

他社倉庫には、次の2つがあります。

  1. 通常倉庫(FBAやオープンロジ)
  2. 保税倉庫(各地の空港や港近くにある)

1.通常倉庫

通常倉庫とは、輸入許可を受けた後の「国内貨物」を保管する所です。難しく考える必要はないです。街のどこにでもある倉庫です。輸入貨物を保管する倉庫には、単なる倉庫の他、各種ロジスティックス機能を持つ物があります。

代表的な物がアマゾンジャパンが運営する「FBA」、株式会社オープンロジが提供する「オープンロジ」です。いずれの倉庫も最新のIT技術を使い在庫を管理しつつ、様々な付帯サービスを提供しています。ちなみに、アマゾンのFBAは、アマゾン販売をしていない方でも利用できます。

例えば、楽天販売、実店舗への卸売り、自社ネットショップでの販売等、アマゾン以外のチャネルで販売している場合も「FBA(アマゾンマルチチャネルサービス)」を利用できます。

いずれの倉庫も倉庫保管料は、貨物サイズに応じた価格であるため、ある程度の規模までは、自前で倉庫管理をするよりもメリットがあります。最新のITシステムの在庫管理、人員の管理、在庫のセキュリティ性等を含めた価格であることに注目します。

2.保税倉庫

保税倉庫とは、輸入許可前の貨物(外国貨物)を保管できる倉庫です。他方、通常倉庫は、輸入許可後(内国貨物)の貨物を保管する倉庫です。日本に到着した貨物も「外国貨物のまま」保管ができます。

関税法によると、外国貨物は、税関長の輸入許可で内国貨物に切り替わるとしています。つまり、日本到着後も税関長から許可を受けずに保管すれば、外国貨物のままです。この外国貨物の状態を「保税」といい、それを保管するのが「保税倉庫」です。

では、なぜ、日本到着後にも外国貨物のまま保管するのでしょうか?主な理由は、次の2つです。

  1. 倉庫保管料に対する消費税の免税
  2. 過剰在庫の防止

保税倉庫に保管されている貨物は、外国貨物であるため、倉庫保管料に対する消費税は免税です。ある程度の期間、倉庫に保管するなら、外国貨物のままにしておくのも一つの方法です。

その他、日本国内の売れ行きに合わせて在庫を調整する目的もあります。基本的に、輸入許可を受けると関税と消費税が徴収されます。これらの輸入税は、一度、徴収されると取り戻すのは難しいです。

もし、日本国内の貨物を過剰に輸入すると、その過剰分まで関税や消費税を支払うことになります。これを防止するために、外国貨物のまま保管をして、日本側の売れ行きを考えて適宜、輸入許可を受けるのです。他、保税状態のまま、第三者に転売もできます。これを「保税転売」といいます。

小口、小規模な輸送なら、パッケージ化されている国際輸送が便利!

国際輸送の費用は、国際輸送費、通関費用、国内輸送費の3つに大別されます。フォワーダーによっては、通関業の許可を持たない所もあり、この場合は、別の業者に通関業務と国内配送を依頼する必要があります。少し面倒ですね!

そこで、国際輸送+通関費用+国内配送費が1セットになっているサービスを選ぶことをお勧めします。1セットサービスは、フォワーダーが持つ価格競争力を活かしつつ、日本に到着後の面倒な通関等の手続きを全てお任せできます。

玄関先までの国際輸送に慣れている方には、こちらのパッケージ輸送がとても便利です。

例えば、中国からの国際輸送なら海上速達便D2Dがオススメです。

国際輸送の関連用語

用語 解説
FCL FCL=CYとも言います。一つの荷主が一つのコンテナを占有して貨物を輸送すること
LCL LCL=CFSとも言います。複数の荷主が一つのコンテナを占有して貨物を輸送すること
サレンダー 輸出国側でB/L(船荷証券)の原本を返却することで、輸入国側でB/Lの原本を不要とする仕組み
追跡方法 コンテナの追跡は、B/L上に記載されるコンテナ番号で行う。マスターB/LとハウスB/Lがあるため注意
ドレー 輸入許可後、国内配送するときに、コンテナのまま輸送するためのトラック
バンプール コンテナターミナルで、空のコンテナを保管しておくエリア
ピックアップ オーダー バンニングをするために、コンテナターミナルから、空のコンテナを引っ張るように手配すること
ブッキング 主に船の予約をすること
船社チャージ 国際輸送費の他、日本側の港でかかる諸チャージの総称。アライバルノーティスに記載されている。
保税地域、保税倉庫 ”保税”とは、外国貨物を保管することができる特別な地域(倉庫)を指す。


輸入サポートサービス

国際輸送の見積もり依頼

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