輸入関係の法律の調べ方を解説!法律、省令、政令、通達の違い。

輸入取引に関係する法律には、関税法、関税定率法、関税暫定措置法などがあります。他、この下に○○●施行規則等があります。私を含めて、法律家でない方は、それらを「法律」とひとくくりにすることが多いです。しかし、実は、細かい違いがあります。

そこで、この記事では、輸入に関係する法律をご紹介していきます。

輸入に関係する法律の基礎

日本の最高法規は、憲法ですね!その下に法律があり、その下に….と、ピラミッドのように体系化されています。輸入に関係する法律には、次の物があります。

  • 関税法
  • 関税定率法
  • 関税暫定措置法
  • 通関業法
  • 経済連携協定に基づく申告原産品に係る情報の提供等に関する法律
  • 物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約
  • コンテナーに関するTIR条約

他、沖縄振興特別措置法など、13ほどあります。この法律の下に政令や省令等があります。

法律、政令、省令、告知、通達の違い。

法律

国会の衆参議員で審議・可決される物であり、これらの中では、最も重要な位置付けです。

政令(施行令)

主に内閣が上記の「法律」を施行するための命令です。(罰則を設けることはできない)

省令(施行規則)

各省の大臣が上記の「法律や政令」を施行するための命令です。

告示

各省の大臣や委員会や長官が上記の「法律や政令、省令」等の具体的な事務を周知させるために必要な場合に一般に広く知らしめることです。

通達

各省の大臣、委員会、長官が職員に対して、広く知らしめることです。

例:輸出通関の審査が終了した場合は、原本の○○欄に押捺しなさいなど。

輸入関連での法律の考え方

法律や施行令には上下関係があります。輸入の場合だと次の通りです。

輸入の法律

輸入実務について何か疑問点がある場合は、上記の内「通達」を確認すると良いです。通達には、実際の輸出入通関の現場における税関職員の判断基準が詳しく明記されています。この通達を見るときも必ず、文章中にある「法」「令」とは何を指すのかを意識することが重要です。

例えば「関税法基本通達 第 2 章 関税の確定、納付、徴収及び還付」の一条を見てみましょう! ここに「法第三条ただし書」の表記があります。この場合のは、関税法を指します。

そして、関税法の3条を確認すると…

関税法

この他、法律の関税定率法には、関税定率法関連の「通達」、関税暫定措置法には、関税暫定措置法関連の「通達」があります。法律で大きな枠組みを作り、その下の施行令や施行規則及び通達で、具体的な事項を定めています!

この関係性は、関税法や関税定率法の「基本通達」の最初にも記載されています。

0―1 この通達における関係法令の略称は、それぞれ次による。
(1) 関税法(昭和 29 年法律第 61 号) ··························
(2) 関税法施行令(昭和 29 年政令第 150 号) ···················
(3) 関税法施行規則(昭和 41 年大蔵省令第 55 号) ·············· 規則
(4) 関税定率法(明治 43 年法律第 54 号) ······················ 定率法
(5) 関税暫定措置法(昭和 35 年法律第 36 号) ·················· 暫定法
(6) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第 6 条

引用元:関税法基本通達

輸入ビジネスで関連する法規制を調べる方法

輸入に関係する法律は、どのように調べればいいのでしょうか?

まずは税関ページの所管法令一覧を確認します。もし、他法令を調べるときは「輸入と他法令の関係と調べ方」をご確認ください。HUNDAEの親サイトでも「輸入の根拠法一覧」を公開しています。

最後に関税法や関税定率の内、輸入でよく関係する物をご紹介します。

関税法

関税法は、関税の確定、納付、徴収、還付、貨物の輸出入の具体的な手続き方法を示します。

関連:関税法施行令、関税法施行規則、関税法の通達

  • 6 納税義務者は、その貨物を輸入する者
  • 7-14 修正申告 納税額に「不足」するときに修正すること
  • 7-15 更正の請求 納税額が「過大」であるときに修正すること
  • 7-16 更正の請求と決定の関係
  • 9 申告納税方式の「納期限」を説明
  • 9-2 納期限の延長について
  • 9-10 徴収の優先順 他の税金(国税徴収法等)よりも優先して徴収する
  • 9-11 担保の提供について 関係→関税定率法
  • 12 延滞税 法定納期限までに納めないと年率7.3%の延滞税がかかる。子の延滞税の計算開始日とうの基準を細かく規定する。
  • 12-2 過少申告加算税 輸入申告価格が「過少」だった場合のペナルティ
  • 12-3 無申告加算税 そもそも「無申告」のときのペナルティ
  • 12-4 重加算税 とにかく悪意がある脱税者へのペナルティ
  • 13 過誤納付 税関長は、税金を取りすぎていた場合は、7.3%の利息を付けて還付する。
  • 13-4 端数処理 輸入申告価格を計算するときは端数処理をしてもok
  • 14-3 13条の過誤納付の還付加算金の請求期限は5年間
  • 29 保税地域は、指定保税地域、保税蔵置場、保税工場、保税展示場及、総合保税地域の五つ
  • 30 外国貨物を保管できる場所と例外事項(難破貨物など)
  • 32 見本品として持ち出し許可
  • 34 外国貨物の破棄
  • 40 保税地域の貨物の取り扱い 内容点検、改装、仕分けは可能 税関長の許可を受ければ、見本の展示、簡単な加工もできる。
  • 43-2 保税蔵置場に外国貨物を保管できる期限は、最初に承認された日から年間。ただし、延長もできる。
  • 56~62 保税工場の定義と許可、機長義務等
  • 62-2~62-7 保税展示場の定義と許可
  • 62-8~62-15 総合保税地域の定義等
  • 63 保税運送の定義
  • 68 輸入申告に必要な書類等
  • 69-11 輸入してはならない貨物の一覧を記載
  • 69-12 輸入してはならない貨物の認定手続き
  • 69-13 輸入してはならない貨物の申し立て続き
  • 69-15 輸入して差し止めに関する供託金について
  • 69-16 疑義貨物の見本の検査
  • 69-17 輸入してはならない貨物に関する意見
  • 71 原産地を偽った貨物の取り扱い
  • 73 輸入の許可の貨物の引き取りについて
  • 75 外国貨物の積戻し
  • 80 貨物の収容 指定保税地域に入れてから一カ月を経過した貨物は、収容ができる。その他の保税施設も、それぞれの期限を過ぎた場合は、収容の扱いを受ける。
  • 89 再調査の請求 税関長の処分に不服がある場合は「再調査の請求」ができる。(関税額に異議ありなど)
  • 93 再調査の請求と訴訟の関係 再調査の請求を経た後でなければ訴訟できない。
  • 95 税関事務管理人 海外に居住しながら、日本に輸入したい方に便利な仕組み
  • 98 開庁時間外の事務の執行 税関事務の時間外の執行を求める場合は届け出が必要
  • 105 税関職員の権限 外国貨物について、所有者、運送人等の関係者に質問、検査、証明書を提出させられる。税関検査による開封や封かんの権限
  • 105-2 輸入者に対する調査(事後調査委)
  • 108 外国とみなす地域 関税法上、政令で定める地域(北方四島)は外国とみなす。
  • 109 輸入してはらない貨物を輸入した場合の罰則→十年以下の懲役、三千万円以下の罰金
  • 110~149 他の罰則関係を規定

関税定率法

関税定率法は、関税を課する場合の課税標準や減免税度等について規定しています。

関連:関税定率法施行令、関税定率法施行規則、関税定率法の通達

  • 3-2 入国者の輸入貨物に対する簡易税率
  • 3-3 少額輸入貨物に対する簡易税率(20万円以下)
  • 4 課税価格の決定原則 輸入申告価格に加えるべき諸費用例を記載
  • 4-5 変質や損傷している貨物の課税価格について
  • 4-7 適用する外国為替レート 輸入申告日が属する週の前々週の平均レート
  • 7 相殺関税 輸出国側で補助金を出して作られた産品への対抗措置
  • 8 不当廉売関税(ふとうれんばい) 輸出国側の一般価格よりも著しく低い価格で輸出された商品に対するときの対抗関税
  • 9 緊急関税 輸出国側で何らかの理由で著しく貨物の価格が低下。この商品が大量に日本に流入し日本の産業に悪影響を及ぼす場合の対抗措置
  • 9-2 関税割当制度 特定品目に一次税率、二次税率を設定し安定的な輸入を目指す仕組み
  • 11 加工や修繕をするために輸出した貨物を再輸入する場合の減税措置
  • 13 製造用原材料(特定品目・落花生等)を輸入して製造する場合の減税措置
  • 14 無条件免税 無条件で免税になる条件を記載。特に18号の一万円以下免税措置
  • 14-2 再輸入減税
  • 20-3 関税の免除や軽減を受けた場合の転用制限
  • 別表 関税率表(第3条、第6条~9条-2、20-2)


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